ボーイング 787 [airlines and lounge]

世界で一番大きな航空機を製造している会社ボーイング。この会社は、いままで素晴らしい旅客機を製造してきました。
ちょっと前まで沢山飛んでいた747は、ベストセラー機で沢山の人を輸送し世界を狭くした機体です。映画「ハッピーフライト」の主役はこの747-400でした。とても美しいシルエットで今でも沢山のファンがいます。
747は、様々なバリエーションが作られ現在でも沢山の747シリーズが飛んでいますが、エンジンが4つということで燃費が悪く、よほど多くの乗客がいる路線でしか利益があがりません。
現在の主流は777シリーズです。エンジンが2つで燃費が良くデジタル化されたシステムはとても使いやすいです。この777はJAL、ANAではさまざまな国際線、国内線に投入されています。
ボーイングは、90年代に777の次にくる新鋭機の開発に着手していました。当時は音速機ソニック•クルーザーを開発しようという機運でしたが2001年にアメリカ同時多発テロが起き、頓挫してしまいます。
そんな中、777を改良したバージョンの次世代機を安価に開発しようという考えが生まれたそうです。そこに今後の航空業界の可能性を探っていたANAが参入してきます。747よりも小型で燃費が良く777よりも先進的な技術を使った新型機が今後必要になると考えたANAは、ボーイングに次世代機を50機オーダーしたのです。これは2004年のことでした。当時世界的にあまり有名ではないANAがボーイング相手に大量発注をしたことは話題になりました。これにより航空業界ではANAは注目度がアップしました。
ボーイングは新鋭機を開発しても儲かると判断し、新しい機体の設計に着手します。そして2008年に連邦航空局がこの機体の製造を認可しました。
その頃になるとANAは、ただ新鋭機の完成を待っているだけでなく積極的に設計に口を出していきます。そもそも777開発のときにもかなり口を出していたANAは、ボーイングに信頼されていました。例えば、トイレの便座です。パタンと倒れる便座は安っぽいので、ゆっくりと倒れるようにしてほしいというANAの要求にボーイング社員は驚いたそうですが、実際に作ってみるととても快適なのがわかりました。このように些細なことのように思える改良が777には沢山施されているのです。
ANAは、新鋭機787の設計についてかなり大胆に介入していきます。どこまでANAが主張したか定かではありませんが、787の60%以上の部品は日本製です。一番画期的なのはこの機体、鉄でできていないということです。カーボンナノファイバーという繊維素材でできています。この製造技術は日本企業しか持っていない特殊技術です。その他にも様々な部品が日本でくみ上げられ、それを特別な飛行機でセントレア空港からボーイングのあるシアトルに空輸しくみ上げていくのです。
開発当初のスケジュールでは2007年の7月に完成披露する予定でした。ANAは2008年の北京オリンピックで初フライトをする予定で作業を進めていました。
2007年7月シアトルのボーイングに787が登場しました。とても美しい機体で特に主翼のカーブは今まで見たことのないものでした。しかし、実はこの機体、とりあえず外観だけくみ上げたモックアップのような代物だったのです。外観以外は未完成で飛ぶことはできないですし内装すら作られていなかったのです。ボーイングは開発の遅れから、なんとか外観だけ急場しのぎで完成させ2007年7月に間に合わせただけだったのです。
この頃になると、ANAだけでなく47の航空会社が計677機受注しましたが、ボーイングは、2007年10月に開発の延期を発表し引き渡しが当初の予定より半年遅れるとしました。新鋭機開発には遅れがつきものですから、この頃は発注各社は楽観的だったようです。
しかしその後も納期の延長が次々と発表され、結局当初の予定より1年以上も納品が遅れるという事態になってしまいました。ANAは北京オリンピックでのお披露目をあきらめます。さらに787が導入されるために古い機体を売ってしまう計画を立ててしまっていため機材繰りが間に合わずボーイングから代替え機を購入するという事態に発展してしまいました。
そんな問題が起こりながら、開発は着実に進んでいました。ついに2009年12月、ボーイング•フィールドで787は初フライトを成功させました。
JALもANAのようにローンチカスタマーではないですが、積極的にボーイングにアプローチし機体を発注しました。そしてようやく先週787を2機受領しました。747を大量保有して経営を悪化させたJALは、787により業績を大幅に回復しようと頑張っています。今後は、ANA、JALともに国内線、国際線に787を積極投入していきます。
これにより、世界の空は大きく変化していくでしょう。
フラッグスタッフ、 アリゾナ州 [united states]

フラッグスタッフという街の名前は聞いたことがありますか?おそらくグランドキャニオン観光に行った方ならなんとなく記憶に残っている街かも知れません。
フラッグスタッフは、グランドキャニオンのゲートシティとしてはよく知られています。グランドキャニオン内に宿を予約できない時は、この街に宿泊することがおおいからです。しかし殆どの観光客はこの街を素通りしてしまうのです。それは、世界的に有名なグランドキャニオンを目指してきているからです。
今回は、そんなちょっと可哀想な街の魅力をいくつかのトピックにわけて紹介します。このブログを読んで、次回グランドキャニオンやグランドサークル、ルート66観光をするときに立ち寄ってみてください。今のアメリカの日常が見えてくるはずです。
★宿場町
フラッグスタッフへのアクセスですがロサンゼルスからは車で7時間、ラスベガスからは5時間程度。フェニックスへは2時間です。空港もありますが車でのアクセスが一般的です。
この街は、もともと宿場街として発展してきました。実は今もその機能は変わっていません。
1880年代、この街は林業・羊毛・肉牛などの流通の要になりました。東にあるアルバカーキと西にあるカリフォルニア、南にあるフェニックスを結ぶ街道の宿場町として適した場所であったため発展を続けました。
その後、シカゴからロサンゼルスまでアメリカ大陸を横断するルート66が開通すると、フラッグスタッフは大きく発展していきます。そしてモータリゼーションの到来により、この街には沢山の人々が宿泊地として人が訪れるようになりました。
フラッッグスタッフには、早くから鉄道も通っていたため街は安定して発展し続けたのです。
現在は、アメリカの東西を結ぶ高速道路40号線の宿場町、そしてグランドキャニオンの宿場町として繁栄しています。
★若者の街
フラッグスタッフの平均年齢は、なんと26.8歳です。これほどまでに若い理由は、いくつかあります。
まずこの街には北アリゾナ大学があり、学生が全米から移り住んでいます。そして、この街の魅力に触れ卒業後もそのまま街にとどまる若者が多いのです。
次の理由は、この街のある場所に関係しています。標高2000mを越える高地にあるため、アウトドアスポーツが盛んです。夏はトレッキング、釣り、冬はスキーなど、若者が楽しめる自然を相手にした遊びが沢山提供されているのです。そして、緑豊かな町並みや景色も大きな魅力です。逆に冬の寒さや雪かきを嫌って老人は暖かい地へと引っ越してしまいます。
こうして高学歴でアクティブな若者が集まることで、面白い現象が起きています。アリゾナは保守的で共和党が強い地域ですが、フラッグスタッフは民主的でリベラルな町として発展しています。そして治安はよく自然を大切に思う人々が、ひっそりと暮らしているのです。

★鉄道の町
100年以上前にできた駅、フラッグスタッフは今も健在です。この街にあるモーテルに泊まると驚くのは鉄道がひっきりなしに走ることです。まるで山手線並みの頻度で列車が走っています。よく観察すると、それは旅客列車ではなく貨物列車です。旅人を乗せている列車は日に数本しか走っていません。有名なのはシカゴとロサンゼルスを結ぶアムトラック サウスウエスト・チーフ号です。殆どは、長い長い貨物列車なのです。フラッグスタッフを走る鉄道路線はアメリカの東西の交通の重要路線です。そのため、物資が行き来しているのです。
鉄道好きなら、駅付近で30分も見ているとおおくの列車を見ることができます。そこには、様々な物資が積まれているので、アメリカの物流事情を垣間見ることが出来ます。
困るのは、法律で街に入る列車はホーンを鳴らすというルールがあることです。ホテルを町はずれに取ると部屋にいても大きな警笛の音を聞き続けることになります。もし警笛を聞きたくない場合は、できるだけ線路から離れたホテルに宿泊した方が良いと思います。
★ダークスカイ・コミュニティ
フラッグスタッフには、天文学者パーシヴァル・ローウェルが設立したローウェル天文台があります。高地で空気が澄んでいるため星が奇麗に見えます。街では、夜間の無駄な点灯をやめ、夜空を大切にする運動を行っています。なので、夜になると街は真っ暗になります。必要な照明は赤く点灯しているので、なんとも幻想的な夜景です。
街の中心から外れると、我々が生活していると見ることのできない美しい星空を見ることができます。あまりの星の数に驚き感動します。よく見ると天の川は勿論、人工衛星までよく見えます。フラッグスタッフに行ったら是非この夜景を楽しんでみてください。
★ノンチェーン・レストランを大切にする町
フラッグスタッフはリベラルな街なので、中心街にある店も他の都市とは変わっています。とにかくローカルビジネスを大切にしているのです。勿論世界にあるマクドナルドやデニーズもありますが、おおくの店は個人経営です。一見馴染みのない名前やロゴですが、店に入るとたくさんの人がのんびりとコーヒーを飲んだり食事をしています。我々日本人もすっかりチェーン店文化に浸って生活していますが、フラッグスタッフにある心の通った個人経営の店に入ると、文化の豊かさを実感できます。
フラッグスタッフに行ったら是非入ってほしい店をいくつか紹介します。
Macy's European Coffee House & Bakery
14 South Beaver St.
コーヒーがとてもおいしいです。
Altitudes Bar & Grill
813 West University Ave.
線路近くにあり、列車が通ると「TRAIN!」と騒ぐトレインショットが有名です。
Salsa BRAVA
2220 East Rt 66
928.779.5293
量が多いですが、とてもおいしいです。
The Cottage Place Restaurant
126 W. Cottage Ave.
928.774.8431
雰囲気の良いアメリカンダイナー。
Hiro Sushi Bar & Japanese Restaurant
1312 S. Plaza Way
928.226.8030
日本人経営の寿司屋。ただし日本人が寿司を握っているとは限らないです。
★宿泊地としての町

宿場町として発展してきたので、ホテルやモーテルはとても沢山あります。DAYS INNやQuality Innなどのチェーンはほぼ全てのチェーンが展開されています。
チェーン・ホテルは町の郊外にあります。おおくはルート40号の出口付近に集まっています。よっぽどのハイシーズンでない限り部屋は空いていると思って良いです。ただ夏場などは予約をお勧めします。というのも、もしフラッグスタッフに宿が取れない場合、隣町は遙か先です。車で3時間くらい走らないと次の宿は現れません。列車の汽笛がうるさいと思う方はEast Flagstaff周辺のモーテルは避けましょう。本当にうるさいです。
お勧めは、個人経営のホテルです。
古くからある名物ホテルがこの町にはいくつもあります。ただこれら個人経営ホテルは人気があるので予約が必要です。
Little America Hotel
2515 East Butler Ave.
928.779.7900
古き良きアメリカのイメージが色濃く出ている素敵なホテルです。設備は新しく快適。
Hotel Monte Vista
100 N. S. San Fransisco
928.779.6971
町の中心にあり、目立つので直ぐわかります。ここには幽霊伝説があり、おおくのファンが訪れています。
★ルート66の通る町
このブログでも何度か紹介していますが、フラッグスタッフにはルート66が通っています。現在も名前が残っています。ルート66を旅する場合も、この町にお世話になるのです。シカゴから来ると、Gallupいらい大きな町となります。5時間以上走ってきてフラッグスタッフを見るとホッとします。ロサンゼルスから走ってくると、懐かしい景色のルート66は、ここでいったん終わります。この先は何もない高地となりますので、フラッグスタッフで1泊することになるのです。
★映画撮影地として
この町を何故かロバート・ゼメキス監督が気に入っているようです。そのためか「フォレスト・ガンプ」「キャスト・アウェイ」が撮影されています。そのほか「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」も撮影されています。どの映画も古き良きアメリカの面影をうまく切り取っています。
時代から取り残されたような懐かしいアメリカの町「フラッグスタッフ」特に目玉となる観光地があるわけではないのです、この町を1日かけてのんびり周り、ゆっくりとコーヒーを飲んだり食事をすると、他の都市では味わえないアメリカンライフを楽しめるはずです。
飛行機に乗るひとへ 航空行政の苦悩2 [airlines and lounge]

我々フレキュエント・フライヤーは、年に何回も飛行機に乗ります。旅行であったり出張だったり目的は様々ですが、飛行機に乗るときは少しでも楽しく時間を過ごしたいですね。
そんな旅行者へ向けて、このブログでは2009年09月に「JALの苦悩」というテーマで問題提起しました。丁度1年前になるのですが、驚くことに、提言した問題は現実化しJALは経営破綻してしまいました。そして航空行政に民主党政権は目を向けることはないと思っていたのですが、前原国土交通大臣はかなり適切な処置をとり手腕を発揮しました。前原大臣はダム問題でとても苦労されていましたが、実は国民のために航空行政をなんとかしなければと孤軍奮闘していたのでした。
さて、羽田の国際化が10月に迫りANAがローコストキャリア(LCC)の設立を決めた今日、我々に直面している新たな問題と楽しみ方について今回は記そうと思います。

私はかつて「飛行機の墓場」に行きました。ここでは使用耐久期限を迎えた航空機が最後のフライトを終え、壊されていく場所です。あまりに大きい航空機は、専用の解体場があるわけではなく、モハベ砂漠で重機により壊されていくのでした。そこで破壊される航空機からはキーッという音だけが聞こえます。解体に携わるスタッフは鉄と鉄が擦れて発せられる音を"飛行機の断末魔"だと表現していました。
そんな彼らから聞いた本当なのか嘘なのかわからない恐ろしい話をお伝えしておこうと思います。
日本やドイツからやってくる航空機は、重機を使ってもなかなか壊れないのだそうです。丁寧に整備され比較的早い段階で処分される機体は金属疲労がそれほど進んでおらずまだ丈夫だそうです。それに引き替え発展途上国の飛行機(社名は伏せます)やLCCの飛行機は、とても簡単にクシャっと壊れるそうです。かなり金属疲労が進んでいるのが原因だそうです。
航空機を壊す前に、使える部品は取り出し中古品として売られていくようです。やはり日系の航空会社の飛行機からは沢山の使える中古品を取り出すことが出来るのです。LCCからは殆ど取れないそうです。もう疲労しているか壊れているのだそうです。
これは何を意味するのでしょう。
やはり日系の航空会社は機体メンテナンスをしっかり行っているということがわかると思います。そして部品まできちんと管理しているのです。だから安全だと言うこともできると思います。それに引き替えLCCなどは中古の航空機を安価で購入しボロボロになるまで使い倒していることがわかります。だからこそ航空券代を安くできるのでしょう。
飛行機の墓場のスタッフは、こんなことも行っていました。
「我々は決して高給取りではないけど、絶対にLCCには乗らないよ。だって自分の命をたった数百ドルで売れないから....」
もう一度お伝えしておきます。これは彼らの冗談かも知れませんし事実かどうかもわかりません。
ただ、実際に何台もの航空機を壊している現場で見ていると確かに日系の航空機はなかなか壊れませんでした。
最近、日本ではなんでも安ければいいという風潮があります。ちょっとでも高いとお客さんは不満を露わにします。本当に安ければいいのでしょうか?
ANAもJALも海外の安価な航空会社の運賃と競争しなければならないので、必死にコスト削減を進めています。勿論無駄な部分は削減してコスト管理をすべきですが、度を超した削減は事故の増大に繋がってしまうのです。このことをANAとJALのマネージメントは忘れてはいけないと思います。
JALは、整備を海外の整備会社に委託することを進めています。日本人だけが優秀だとは思いませんし、海外の整備士が駄目だとも思いませんが、必要な整備コストはきっちりとかけるべきです。
ANAは、LCCを設立しようとしていますが、航空券を安くするためには中古の機体を安く購入しなければなりません。ボロボロの機体を飛ばすことにより重大インシデントの起こる可能性が増えることは明かです。
この問題こそ、国が介入して国民の安全を守る必要があつのではないでしょうか。
わかりやすくいうと安い航空券は、それだけ事故のリスクが高いということなんです。
安ければいいと言ってLCCに流れる我々客の考え方も変えていかなければいけないのだと思います。
次に航空管制の問題についてお話します。
皆さん、航空管制についてどのくらいご存じでしょうか?空港にあるタワーの上で飛行機に指示を出しているひとだと思っていませんか?実は日本上空を飛んでいる飛行機を扱っているのは4つの航空管制部なんです。空港のタワーは空港の周辺約30km程度を管轄しているだけなのです。
一番大きな地域を扱っているのは埼玉県所沢にある東京コントロールです。そのほかには北海道と東北を扱う札幌コントロール、中国地方と九州を扱う福岡コントロール、沖縄を扱う那覇コントロールがあります。これら空港以外の日本上空を扱う管制をエンルートと呼びます。
航空管制官は世界で一番ストレスのたまる仕事だとされています。非常に高度な知識と経験を要する重要な仕事です。彼らは普段どんな仕事をしているのかほとんど知られていません。

航空管制が進んでいると言われているカナダやヨーロッパでは、航空管制はICAOという国際組織のルールに従って民間企業が運営しています。管制官は非常に難しい試験を受け、能力のある限られた人だけがなれる職業です。そして集中力が必要なので数十分管制をしたら数時間休憩するというシフトとなっています。それほど難しい仕事であると同時に給料は保証され、事故が起こったときは個人の責任とはならないというICAOの国際基準が準拠されているのです。
さて、日本はどうでしょう。まず管制官は国土交通省の職員なのです。役所は1日8時間労働が基準なので日本人管制官は8時間という長い時間勤務させられます。どんなに優れた人間でも1時間以上集中力を持ち続けることはできません。なので細かな間違いは頻発しています。それでも仲間同士でバックアップしながらなんとか事故が起きないよう頑張っているのです。ほとんど「気合いだ!」という精神力で頑張っています。
そして、酷使されている人間は集中力が落ちてきてヒューマンエラーと呼ばれるミスを犯してしまいます。そのミスが事故に繋がっていくのです。
航空機事故は、いくつものヒューマンエラーの積み重ねで起こるとされています。なので犯人は1人であることはありえないのです。ハイジャックやテロを除く全ての事故は、複数の人間のミスが同時に起こって発生しますし、時にはシステムのミスだったりします。同じ要因の航空機事故を再び起こさないためには、事故の原因究明が重要になってきます。このとき、誰かが事実を隠したり嘘を言うことで真実が見えなくなることがあるので、航空機事故では犯人の特定をするより真実の究明に力点を置くのです。それにより未来の犠牲者が減るというわけです。
このルールはICAOという国際機関によって定められていて、ICAOに調印し参加している国は、従う義務があります。
しかし、日本はこれに従っていません。理由はいくつかありますが、役人の人事システムに大きな問題があるからなのです。何故か役人は2~3年の間に転勤します。転勤すれば出世していくという理解できないルールがあるのです。これにより素人役人が大量発生しています。プロフェッショナルの育たない役人文化の中で、さらにマイナーな航空という分野においてトップに立つ役人が素人なのです。そんな素人さんはICAOのルールなどしっかり把握していません。なので現場の管制官を守ることができないのです。
そしてマスコミも同様、素人ジャーナリストによる感情報道ばかりで、きちんとした報道が行われていません。たちが悪いのは記者クラブという先進国にはない悪しき習慣の上に報道が成り立っているという問題も含んでいるのです。
事故が起こったとき、きちんとした対応が出来ない国、そして自分でリサーチできない記者達は、ICAOのルールを知らずに犯人捜しをしている状況です。
こんな状況で、管制官達は日々怯えながら、精神的にボロボロになりながら働いているのです。なので公表されていませんが管制官の自殺率は職業別でトップレベルなのです。
さて、ここまで読んでいただけた皆さん、今の日本の航空行政をどう思いますか?
このままでは、近い将来大きなインシデントが発生してもおかしくないのです。そして、事故が起こったときは誰か個人や企業がマスコミにたたかれ、国民はそれを見て気持ちよくなるのです。本当にこれでいいのでしょうか?そろそろ成熟してきた日本という国、そして国民は、もう少し冷静に物事を判断する力を身につけるべきですし、"引きずり下ろし文化"もそろそろ止める時期なのではないでしょうか。
嫌な話が続きました。ここからは楽しいお話です。

まず羽田の国際化です。日本の管制システムではそれほど本数が増えるわけではないですが立派な国際線ターミナルが完成し10年10月から運用が始まります。羽田から海外に行けるのはとても便利ですね。しかも深夜発着便などが増え、旅行に選択肢が増えるのも魅力的です。アメリカン航空は、深夜に出発して早朝に戻る0泊3日の旅が可能なニューヨーク線を運行しますし、ANAやJALもユニークな路線を設定しました。今後は、今までより遙かに自由な海外旅行ができるようになります。
ANAは10年末から新鋭機ボーイング787を受領します。ANAは、787のローンチカスタマーです。ANAが初めて発注した787は、カーボンナノファイバー製です。今までのように鉄でできていないのです。そのため燃費が向上していますし、与圧が高められるので湿度が地上と同じくらい保てるので機内は乾燥しません。女性にとってはお肌に優しい飛行機なのです。そして当然トイレはウォシュレットです。この快適な機材で長時間フライトが始まるのは11年度になりますが、今から楽しみですね。
今後10年の航空行政、どうなっていくのかは民主党政権はじめ国交省の方針に大きく影響されますが、我々もマスコミに惑わされずきちんとした対応をして、安易に安い航空券に流れないことも重要だと思います。
スコッツデール アリゾナ州 [united states]
砂漠のリゾート、 スコッツデール

今回は、そんなちょっと贅沢な旅行好きアメリカ人達の間で話題になっている観光地を紹介します。
今、アメリカで最も人気のある観光地は?と聞くと殆どの人がフロリダ州のサウスビーチと答えるでしょう。サウスビーチはここ数年ですっかり観光地化され、比較的高価なホテル群と洒落た大人の町に変貌しました。
そのサウスビーチを追いかけているのが「砂漠のサウスビーチ」と呼ばれているアリゾナ州スコッツデールです。
スコッツデールの魅力を語る前にまずは場所から説明します。
スコッツデールはアリゾナ州マリコバ郡という場所にあり、大都市・フェニックスに隣接している町です。人口が急増するフェニックスに飲み込まれ、現在ではフェニックスの郊外としての機能も持っています。
フェニックスの一部ならフェニックスという町を紹介しろと言われそうですが、スコッツデールはフェニックスとは全く違った文化を持つ町なのです。これが面白いところです。フェニックスはアリゾナ州最大の都市で、アメリカの大都市と同じような都市機能を持ちます。しかしフェニックスから車で20分程度のスコッツデールに行くと、そこには紛れもない高級リゾート地が広がっています。
日本で例えるなら、新宿から20分くらい車で移動する距離にある国立や千葉あたりにハワイのカハラリゾートが突然現れる、みたいな感じでしょうか?これはあまり良い表現ではないですが、都心から車を走らせると、かなり唐突にリゾート地が現れるのです。そのリゾート地は世界でもトップクラスの素晴らしい場所なのです。
このあたり、かつては広大な砂漠でした。そこを開発したのでここにある町は水を運河で引いて作り上げた人口の町でありリゾートなのです。
日本からの行き方は何通りか考えられますが、アクセスが楽なのはサンフランシスコかロサンゼルス経由でフェニックスに飛行機で入る方法です。これだと東京から12時間程度で到着します。西海岸の大都市とフェニックスはかなりの本数があるので、途中のラスベガスやサンフランシスコなどと併せて旅行するのも楽しいかもしれません。
車だと、ロサンゼルスからひたすら東に約7時間走るとスコッツデールに到着します。ラスベガスやグランドキャニオンからは南に4時間程度で着きます。車でのアプローチだと途中広大な砂漠地帯を走るので景色は結構楽しめます。長いドライブもそれほど気になりません。
では、スコッツデールの魅力について紹介します。
景色
スコッツデールはアリゾナの砂漠のど真ん中にあります。かつてはフロンティアを開拓する人々によって作られた小さな宿場町でした。さらに昔はネイティブアメリカン達の土地だったようです。スコッツデールの北にはパワースポットで有名なセドナがあり、景色はディズニーランドのビックサンダーマウンテンみたいな岩山と砂漠が続いています。日本では見ることの出来ない不思議な赤茶けた大地と青い空は、日本とは別次元の感動があります。
スコッツデールの景色で忘れられないのは、町全体の統一感です。おそらく建築基準が設けられているのだと思いますが、アリゾナ独特のデザインが施された建物が町中に広がっています。といってもサンタ・フェのプエブロ建築のような昔ながらのデザインではなく、鉄筋コンクリートを使った現代的な建物です。これは、近代美術と呼んでも良いような素晴らしい物ばかりです。この建物の集合体が今のスコッツデールを象徴しているのではないでしょうか。
スコッツデールは、大自然の砂漠の中に忽然と現れた近代芸術の集合体なのです。
ゴルフ
そんなオシャレなリゾート地で何をするのかというと、殆どの観光客はゴルフをします。元々砂漠なので、ゴルフ場は真っ平ら。そして素晴らしい設計のコースが郊外に広がっていて、とても優雅な時間を過ごすことが出来ます。
ショッピング
スコッツデールには、有名ブランドの入っている大きなモールがいくつかあります。どこも空いていて快適にショッピングができます。オールドタウンにはアンティークショップが揃っていて買わなくても見て歩くのが楽しいです。
他にもリゾート地ならではのショッピングゾーンがおおく点在しています。残念ながらアウトレットモールなどはありません。
観光
オールドタウン

スコッツデールは、元々砂漠の中にできた小さな宿場町でした。
現在もオールドタウンが残されており、そこに行くと西部開拓時代の面影を色濃く残した商店街を見ることが出来ます。1870年頃にはこのあたりでガンマンによる戦いが行われたのでしょう。西部劇の中に入り込んでしまったような不思議な感覚にとらわれます。
オールドタウンには、観光用のトレイルがいくつか設置されていますので、そこを歩くと西部劇の時代を体験することができます。観光局などで無料の地図が配られていますが、町のあちらこちらにサインがあるので、それを辿れば簡単にオールドタウンを回ることができます。それほど大きくないので一番長いトレイルを歩いても数時間です。スコッツデールは砂漠に出来た町なので昼間はとても日差しが強いです。トレイルを歩くときは帽子やサングラスなどを持って行ったほうがいいでしょう。
オールドタウンは観光地化されているので、建物の殆どがレストランかアンティークショップです。トレイルを歩いた後は、アンティークショップなどをのぞき、夕食はステーキなどアリゾナらしい料理を食べるのが観光の定番みたいです。
SMoCA スコッツデール・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート
建築家Will Bruderによるとても美しい建物で有名です。スコッツデールのオールドタウン近くにありアクセスも便利です。ここには地元の芸術家が作ったスコッツデールらしい芸術などがあります。美術館は様々な展覧会も企画しているので、行く度に様々なコンテンポラリー・アートを楽しむことができます。私が好きなのはやはりこの建物です。特に夕方は砂漠独特の空の色が建物に反射してとても綺麗なグラデーションを作ります。そのグラデーションが刻々と変化するのは見物です。
ナイトライフ
そして、スコッツデールの一番の目的は、ナイトライフです。町中にナイトクラブやバーが建ち並び、アメリカ中からやってきた大人が夜な夜な集まって飲んでいます。ひとつ注意したいのは、この町は基本的に大人の町であることです。日本の六本木や渋谷のように20代の学生達が盛り上がるような場所は殆どありません。集まるのは、30代からのそれなりに生活が豊かな人々なのです。

価格が高いというわけではないのですが、アメリカでは生活レベルによる観光地が分かれていて、20代の学生達はカンクーンなど学生が集まるリゾート地に、50代からの成熟した大人達はパームビーチなどうまく棲み分けて余暇を楽しんでいるのです。バーは、基本的にインテリアが素晴らしく、バーテンダーの質も高いです。土地柄プールサイドに作られたバーもおおく、店内は凄く混むことはありません。店に流れる音楽も比較的品が良く、大人が長居できる環境になっています。
ここで、ひとつW Hotelに併設されているバーを紹介しましょう。昼間はこんな感じです。客は、プールサイドにあるバーで飲んでも良いですし、酒を持ってプールサイドで飲んでもいいのです。夕方などは、プールサイドで水着のまま寛いでいる人もけっこういました。
夜になると、こんな感じに変貌します。アリゾナ砂漠が見えるこのバーは2階にあり、オープンです。要は屋根がないのでとても気持ちが良いのです。ここで朝方まで酒を飲めるのはとても幸せです。
レストラン
スコッツデールには魅力的なレストランが沢山あります。お勧めはアリゾナで有名なステーキハウスです。町中に沢山あるので入ってみましょう。どこでも美味しいステーキが楽しめます。
BOURBON STEAK
http://www.bourbonsteakscottsdale.com/
フェアモントホテルにあるステーキハウスです。とても洗練されていて日本からの観光客にも十分満足できます。

ホテル
スコッツデールには、魅了的なリゾートホテルが点在しています。そのなかで特にお勧めをいくつか紹介します。
The Fairmont Scottsdale
7575 East Princess Drive
Scottsdale, AZ 85255
http://www.fairmont.jp/scottsdale/
かなり豪華なリゾートホテルです。ただ、価格はそれほ高くなく贅沢なひとときを過ごせます。ホテルには必要な設備はすべてあってこのホテル内だけで何日も楽しめるでしょう。

Four Seasons Resort Scottsdale at Troon North
10600 East Crescent Moon Drive
Scottsdale, AZ 85262
http://www.fourseasons.com/scottsdale/
皆さんご存じのフォーシーズンズのスコッツデール版です。白壁の建物は砂漠に映えまさに砂漠のリゾートホテルです。サービスは世界中のフォーシーズンズと同じクオリティで、ゴルフ場も近くに沢山あるのでとても満足できる旅ができます。
The Phoenician
6000 East Camelback Road
Scottsdale, AZ 85251
スコッツデールの街中には、ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンみたいな巨大な岩山があります。ここの側にあるリゾートホテルです。かなりアメリカでは有名だそうでニューヨークやロサンゼルスからおおくの客がやってきます。
Sanctuary Camelback Mountain Resort & Spa
5700 East McDonald Drive
Scottsdale, AZ 85253
http://www.sanctuaryoncamelback.com/
「スコッツデールへの旅」とは、ここに泊まるような感じをいうのでしょう。遠くに山を見ながらプールサイドでのんびりと過ごすのはなんとも贅沢です。このホテルはスパも充実しています。
W Scottsdale
7277 East Camelback Road
Scottsdale, AZ 85251
http://www.starwoodhotels.com/
スコッツデールの中心にあるWホテルです。Wらしい内装は素晴らしいのですが、アリゾナ特有の建築デザインは洗練されていて快適です。大きい部屋を予約することをお勧めします。そしてプールサイドバーが素晴らしいので夜はサンセットビーチというバーに居座るのがここの過ごし方です。1階には日本食レストランのすし六が入っています。

スコッツデールは、これといった観光の目玉があるわけではないのですが、旅行の達人の皆さんには魅力が分かっていただけると思います。是非一度スコッツデールを訪れてこのリゾートの素晴らしさを体験してみてください。
変貌する大阪駅北口 梅田北ヤード 再開発 [>osaka]


大阪に住んでいる方、行かれた方は梅田地区に行ったことがあると思います。上の写真は北側から見た梅田地区です。中央の左右にJRが走っていて左側にJR大阪駅や阪急梅田駅、阪神、地下鉄などが集約する大きなターミナルがあります。おおくの大阪の住人は、このターミナルで乗り変えて通勤・通学をしています。当然、周辺にデパートや小売店、飲食店などが沢山集まり大きな繁華街を形成しています。近くには北新地の歓楽街もあるので、幅広い年齢の人々がここにやってきます。私は、仕事でこのエリアをよく利用しますが、東京でいう渋谷っぽい若者の街とサラリーマンの憩いの場所である新橋、そして銀座のネオン街が合わさったような大阪らしい楽しい町です。
そんな梅田もここ数年で、随分と様変わりしました。大阪駅南側にはサンケイビルやリッツ・カールトンなどが続々と新規オープンし、高層ビルが誕生し街の景色がずいぶんと変わりました。最近では阪急デパートが高層化されたりして日々変化しているのがわかります。でも、どこか庶民的な町で、特に阪急梅田駅周辺は、映画館や若者向けのショッピングゾーンとなっていたり劇場街があって人の生活感が漂う町です。

そんな梅田地区の中心であるJR大阪駅の北側がどうなっているか知っている方は少ないのではないでしょうか。長年大阪駅の北側には梅田貨物駅に付随するコンテナヤードが広がっており(上写真の下半分)、一般の人には馴染みのない場所でした。1993年にヤードの西側に新梅田シティがオープンしてからこの地域も注目されましたが、最近はすっかり落ち着いてしまい、ヤードの下にある長いトンネルをくぐって新梅田シティに遊びに行く人も減ってしまいました。
この大阪駅北側のコンテナヤードは約24 haもあるそうです。大阪の中心地梅田に広大な土地があるということです。なにもこんな町中にコンテナヤードを設置しておく必要はないということで、昔から再開発の議論が行われていたようですが、ここにきてやっと本格的に再開発が動き出しました。2015年頃までにはコンテナヤードは完全に撤去され、広大な土地が再開発されることになります。
大阪最後の一等地である梅田北ヤード地区は、あまりに広大なため上図のようにいくつかの地域に分けて開発されるそうです。まずはどのように地区がわけられているかというと、南北(シンボル)軸の右側、枠で囲われたナレッジ・キャピタル・ゾーン、そして左側の未着工地区となります。
先行開発区域:ふれあいゾーン ナレッジ・キャピタル・ゾーン よそおいゾーン
駅の北側に広がるコンテナヤードを南北(シンボル)軸により縦に2つに割り、その東側を先行して開発します。ここには様々な人が交流し仕事や生活が出来る新しい町が出現します。このゾーンは3つのゾーンにわかれています。


Bブロック(ナレッジ・キャピタル・ゾーン)は、Aブロックの北側になります。ここには、地上38階地下3階のビルが2つ建ちます。南側のビルはオフィスとレストランなどが入る商業ビルとなります。北側のビルはオフィスとインターコンチネンタルホテルが入ります。開発事業者はオリックス不動産、阪急などです。
Cブロック(よそおいゾーン)はBブロックの北側になり、今回の開発地区の一番北に位置します。ここには高層マンションが建設されます。きっと大阪北側や淀川の花火などがとてもきれいに見えるでしょう。
この先行開発地区は、10社以上の民間企業が関わっていますが、全体的にデザインの統一が行われています。相当な面積ですが人の流れなども含めよく考えられています。そしてすでに完成している新梅田シティと統合され活気のある町になっていくはずです。
結果、このゾーンが完成すると梅田地区の人の流れがおおきく変わるでしょう。
一時的に南口の人気は落ち、北口に人が流入していきます。しかし、南口は昔ながらの大阪らしさが残る地区でもあります。南側の商店街は、北口にひっぱられてオシャレな街に変貌することなく大阪らしさを残して欲しいものです。きっとお客さんは数年後にフラット化されていくはずです。

左の図を見るとわかりやすいと思いますが、この地区には駅近くの集客力のある場所に商業施設とオフィスを設置しています。このあたりは、平日も人々が行き交う活気のある場所になるでしょう。その奥には文化施設やホテルが入ります。駅から商業施設を抜けると、そこにはちょっと静かなスペースが広がっており、人々はのんびりと文化に触れ合ったりホテルで食事をしたりするのです。さらに奥には住居ゾーンがあります。ここまで来る人の数はかなり減るはずです。なので住人は静かに生活でき、文化施設や商業ゾーンへも簡単にアクセスできます。
このように、複数の企業が合同で開発していても見事に町の機能を構築していて、さらにデザインも統一感を持たせているあたりはお見事です。
さらにこのゾーンの地下には新たな地下鉄線が建設されます。そこには、阪急の新線やJR新線が走ることになっていて、大阪の郊外や空港へのアクセスが可能になるかもしれません。
未着工地区
南北(シンボル)軸の左側の未着工地区に関しては、まだ具体的なビジョンが示されていないようです。実際現在もコンテナヤードは営業中で、毎日大きなコンテナが沢山運ばれています。ここには6満人収容するスタジアムを建築しようとか大学を誘致しようとか様々な思惑が水面下であるようです。
大借金を抱えている行政は、この際手を引き私企業グループに開発をまかせたほうが、この先100年の価値のある町作りが出来るようなきがしますが、どうしても大阪市や行政はこういう、一見おしいそうな利権に関わってくるようです。
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JRは北口再開発にあわせ、大阪駅を使いやすいように大幅なリニューアルを行います。完成は2011年春を予定しており、現在は外観がほぼ完成しています。このタイミングで大阪駅全体をOSAKA STATION CITYと呼ぶことに決めたそうです。
この開発は大きく分けて3つに分類できます。ひとつは広場・通路・駅ホームの整備です。駅の上に大きな屋根を設置してデザイン的に開放的な空間を作り出し、そこに南北を結ぶ自由通路を設置します。今まで南北の移動はとても不便でしたし通路の幅が狭くいつも人でいっぱいだったことを考えると、今後は気持ちよく南北に移動が出来るようになります。屋根も巨大でホームも改築されるので京都駅を越える素晴らしい駅になるのではないでしょうか。
2番目は、南にあるアクティの増築です。シンプルなデザインのアクティには大丸とホテル・グランヴィアが入っていますが、増築部分は大丸が床面積を広げるそうです。残念なのは増築部分のデザインです。せっかくすっきりしたビルに張り付くようにセンスのないデザインの増築部分が増え、全体的に見るとみっともない感じとなります。増築しましたよ!と宣言しているような統一感のないビルの外装はどのように決まったのかわかりませんが、将来長い期間にわたりおおくの人をがっかりさせるでしょう。
3番目は、このリニューアルの目玉である北口ビルの建設です。すでに建物はできているので見たことがある方もおおいでしょう。ここには、オフィスビル、ショッピングゾーン、三越伊勢丹、邦画3社が出資するシネコンが入ります。駅の施設としては札幌駅や博多駅のように便利で快適なサービスが受けられるでしょう。
残念なのは、やはりデザインです。こちらはかなり酷い有様で、とても関西の顔と言えるものではありません。どうしてこれほど見にくいデザインが採用されたのかわかりませんが、JR西日本のセンスのなさや会社としての文化度の低さを露呈するかたちとなっています。折角の大規模再開発に水を差す程の酷いデザインに誰もネガティブな意見をいわなかったのでしょうか?海外の先進国の再開発と比べると民度が低いとしか言えない代物になっています。
先日、ニューヨークの再開発地区を見てきたのですが、そこには文化がありました。人々はとても気持ちよさそうに仕事をしたりテラスで食事をしたりしていました。どうやら再開発など利益があがる分野は完全に私企業が責任を持って動いているようで、行政は法的な管理や安全対策のチェックに徹しているそうです。
できあがった施設は贅沢ですがデザイン的に優れており、ユニバーサルデザインもきちんと使われていました。ホテルなどはそれなりに高いのですが、価格に見合うサービスを提供しており、今後100年は大きなリニューアルをせず使っていけるほどしっかりと設計されていたのに感動しました。
ここ大阪駅北口の再開発は、成功する可能性も十分にありながら大失敗に終わる可能性も含んでいます。私たち観光客が満足できる観光地になれるのか、ここで毎日生活する人々があきずに定着するのか、このあたりはこの再開発で旗を振っている人々の力によります。是非行政は必要最小限のサポートをして、できるだけ民間企業に開発を任せて欲しいところです。
またJR西日本は、すこしでも駅設計などをヨーロッパから勉強し、景観という概念を心の片隅に残して欲しいです。
そうすれば、大阪自体の地盤沈下が止まるほどの大きな効果を生む可能性がある魅力的なCITYが誕生するはずです。
旅行に iPad ! [diary]

今回は、今話題のApple社が発売したiPadについて記します。
勿論、「旅行の達人」での紹介ですので、他のiPadレビューとは違い「旅行」に特化した記事となります。
iPadについて
iPadは、どんなものか皆さんは既にご存じですね。PCとスマートフォンの間に位置するコンピュータとして話題です。各社からこのカテゴリーの商品が多数発売されていますが、やはり機能・デザイン共に他の追随を許さない出来なのが、このiPadです。
私は、アメリカ発売の際にロサンゼルス、ラスベガス、ニューヨークのApple Stotreを見てまわり、現地での熱狂ぶりと本物のiPadのクオリティの高さに驚かされました。
その場で購入を決意したのですが、残念ながら在庫がありませんでした。後でわかったのですが日本仕様はSIMロックがかかっていてアメリカで購入したiPad 3Gは日本で使えないのです。そんなことがあり日本での発売を待つことにしました。そして5月28日の日本発売日にiPad(wifi +3Gモデル 64G)を手にして早速自宅で設定し、使用しました。
まず、商品としてのiPadは、「素晴らしい」のひとことです。雑誌やネットには的外れな批判や意見が見受けられますが、これらはあまり参考になりません。衣食住以外のものは、人によって必要だったりいらなかったりするものです。特にiPadのようなPCと家電製品の中間の商品でそれなりの価格がする場合は、否定派がいてもおかしくないでしょう。実際にiPadがなくても生きていけますし、携帯があればiPadと同じことが出来るのです。
では何故iPadが素晴らしいかというと、それは我々旅行者にはとても便利であるからなのです。
旅行に行くとき誰もが荷物を少なくしたいと思うでしょう。移動で荷物が1kgでも軽いほうが楽です。しかし長期間の旅行になればなるほど本や雑誌を持ち、時にはDVDプレイヤーやDVDソフトなどもスーツケースに入れてしまいます。旅行先でもメールをチェックしたりネットを見たりするかもと思った瞬間、ノートブックPCを自分の鞄に入れてしまうのです。そうすると理想とは逆に荷物は重くなっていくのです。そんな経験を私は旅行の度に経験していました。
この問題を全て解決するのがiPadなのです。ここからは機能別にiPadの"良いところ"と"いまいち"なところを詳しく説明していこうと思います。
PC機能

iPadには、PCの基本的な機能が内蔵されています。メールチェック、メール返信、ウェブ閲覧などは、普通のノートPCと全く変わらず使えます。キーボードはスクリーンにフルサイズで表示されるので、長文でなければ入力は簡単です。
Pros
使ってみると、iPadは文章や映像・音楽などを制作するクリエイター向きのPCではなく、読んだり見たりする受け身の人向けのPCであることがわかります。なので、旅行中にPCで行う行為であるメールの送受信とウェブ閲覧ができれば特に問題はないでしょう。
ワードやエクセルは、まだアプリとして発売されていませんが、メールに添付されてきた書類は開くことができます。もし、ワードやエクセル書類を作りたい場合は、App StoreにApple製のビジネスソフトであるiWorkがあるので、それを使うと便利です。マイクロソフトOfficeと互換性があります。
Cons
考え方を変えると、出張でもバリバリ仕事をして長い報告書を書いたり複雑なエクセル計算をする方にはiPadは不向きとも言えます。
もうひとつ注意しなくてはいけないのは、ウェブ閲覧でFlashに対応していないことです。これは世界中のiPod、iPad愛用者にとってとても不幸なことですが、Appleのスティーブ・ジョブスが感情的にFlashを嫌っているので、これが改善することはありません。最近ではFlashに変わる技術であるHTML5が導入され、大きな会社はFalshを捨てHTML5に以降が進んでいるので将来的には問題ないですが、しばらくはFlashベースのサイトを見ることはできません。
本、雑誌の購読
旅行者から大人気なのがこの書籍閲覧機能です。あらゆる雑誌や本をiPadに収納し、sれを読むことが出来るというものです。
Pros

iPadさえあれば、何冊もの本を持ち歩かなくて良いのです。これは使ってみると本当に嬉しい機能です。画面はとても見やすく目が疲れにくいです。AmazonのKindleという本閲覧ハードと比べても遜色ないと思います。むしろフルカラー表示が出来るほうが雑誌などを読む場合はiPadのほうが適しています。ページめくりのアクションも本物の本のページをめくっているようで心地よいです。
本に関しては、iBookというアプリにBook Storeが入っていて数万冊の本が購入できます。iPadの中に大型書店が入っているようなものです。いつでもどこでも好きな本を購入して読むことが出来るなんて夢のようなシステムです。
日本でも既におおくの日本語書籍をiPadで読むことができるのです。
筆頭はi文庫HDというアプリ。これには、数百冊のパブリック・ドメインとなった小説が含まれています。このアプリを購入するだけでいきなりiPad内に大量の日本の有名小説がインストールされるのです。
マガストア(無料)というアプリを入れると、「Motor Magazine」「週刊ダイヤモンド」「pen」「旅」「Mac Fan」「GQ」「ゲーテ」「ニューズウィーク」「AERA」「SPA!」などを購入することができます。
他にもクーリエ・ジャポンやヴォーグなどは、各自のアプリを用意しています。
Cons
残念ながら日本では、まだこのiBookのサービスは本格的には開始されていませんので、沢山の日本語書籍を購入することは出来ないです。これはApple社の高飛車なビジネス展開と超保守的な日本の出版社の間に溝があるためです。できるだけ早めに一般消費者にとってメリットのある解決策を示して欲しいものです。
私は、自分で書いた文章や頂いた長文などもPDF化してi文庫HDに組み込んでいます。自分で作った本が有名小説と一緒に並んでいるのを見るのが楽しいです。今後は、iPadによって保守的な日本の出版業界が大きく変わるでしょう。個人で出版が出来る時代に突入し、我々はこの5年~10年の劇的な出版業界の変化に立ち会えるということになります。
新聞
Pros

iPadでは、書籍と雑誌が読めるのですから当然新聞も読めます。
新聞の配信はすでにアメリカでは始まっています。New York TimesやUSA Todayは、無料でダイジェスト版を配信しています。それぞれの新聞の無料アプリがApp Storeにあるので、それをインストールするだけで毎日新聞のダイジェストが読めるのです。Wall Street Journalは、毎日新聞の配達を行っています。無料版はダイジェストで届きますが、驚きは定期購読すると全て完全版が届くということです。世界中どこにいてもニューヨークと同じタイミングで新聞を読めるなんて素晴らしい時代になったなあと感動します。
では、日本語の新聞はどうなっているのでしょう。唯一頑張っているのは産経新聞です。産経新聞はほぼ全ての紙面を毎日配信しています。iPadさえあれば、毎日産経新聞が読めるのです。さらに産経新聞は頑張りすぎて、なんとこれら全てが無料なんです。将来的には月1500円程度で定期購読になるようですが、これは他のサービスと比べて安いですし良心的です。おそらく販売部数が伸びない新聞配達システムよりもiPadによる電子サービスに将来があると考えたのでしょう。きっと産経新聞の賭は成功するんだと思います。
私は、ニューヨークでもロンドンでもiPadで最新の産経新聞を読み、必要であればWall Street Journalで世界の経済情勢をチェックできるのです。しかも、ホテルのコンシェルジェに頼んで、新聞を部屋に持ってきて貰う手間も必要ありません。こんな素敵なことが既に現実世界で可能なのです。
Cons
新聞に関しては、特にネガティブな問題はありません。今後、産経新聞以外の新聞も毎朝iPadに配達して欲しいですね。
映像
Pros

iPadには、映像がかなり入ります。私の持っている64Gモデルには現在「Sex and the City」24話と「北の国から」全エピソード、そして映画が5本、さらにミュージックビデオが30本くらい入っていますが、空き容量は30Gくらいあります。それほどおおくの映像を持ち歩くことができるのです。
いつでもどこでも好きな映像を取り出して見ることが出来ます。
先日博多に出張に行った際、羽田-福岡の機上でSex and the Cityを2話見ることができました。1時間ちょっとという中途半端な時間を有意義に過ごせたと思います。欧米線など長距離の場合は、もっと効果があると思います。機内エンターテイメントシステムに見たい番組がないときは、自分で映像を持ち込めば自分なりに楽しめるのです。さらにiPadはHD対応なので、機内のモニターよりも鮮明な映像を見ることもできます。
では、どうやって映像をiPadに入れるのかというと、日米で方法が違うのです。
アメリカの場合、iTunes で映画やドラマを購入できます。相当数の映画やドラマがあるので、自分のiPodの中に巨大なビデオ店が入っているかのように感じられます。映画はレンタルか購入が選べます。レンタルの場合、30日間有効ですが、一度見始めたら24時間以内に見終わらないとデータが消滅します。私は先日「24」を3シーズンまとめ買いしました。次回ニューヨーク線に乗る際にまとめて見ようと思っています。
Cons
日本の場合、書籍と同様テレビ番組も映画もiTunesで購入することができません。各テレビ局や映画会社がそれぞれの利益主張を繰り返し話がまとまらないのです。私は、あくまで個人で楽しむという制限の中、法に抵触しないようにiPadで動画ライフを楽しんでいます。その秘密兵器はHand Breakという無料ソフトです。自分で購入したDVDをMacでリッピングし、iPadに入れています。この方法だとDVDをiPadに入れることが可能です。ただし、データを他人に渡したり売ったりすると著作権の侵害になる可能性があるのであくまで個人で楽しむための行為であることを忘れないで下さい。
旅行にiPad
旅をするとき、必要になる本や雑誌、映像までもが700gの小さな板の中に入ってしまうという驚きの商品、iPad。
確かに誰もが生活に必要ではないでしょう。でも旅を豊かに便利にするためには必須アイテムとなるのではないでしょうか。
追加情報として、日本で購入したiPadは、SIMロックがかかっておりSoftbank以外のサービスは受け付けません。しかし海外のSIMは受け付けるので、海外で地元のサービスを利用することが可能です。Softbankは、近々海外でも定額制を始めるとアナウンスしているので、旅行から帰ってきたら数十万円のデータ料金を請求されるという恐ろしいことはなくなるようです。これも旅行者には重要です。
ANA 新ビジネスクラス 体験記 [airlines and lounge]

今回は、ANAの新しいビジネスクラスの体験記です。
2010年4月19日よりニューヨーク線で新しいハードの導入が始まったANAの新しいビジネスクラス。これに伴い欧米戦の全てでソフト面のアップデートが行われました。このハードとソフト両面での大幅なアップデートを早速体験しました。
<ハード>
今回の目玉であるスタッガード・シート。
驚くほどアップグレードされたシートは、ANAの今回の改革の目玉です。

新しいボーイング777-300に乗り込みビジネスクラスに入ると、目の前には今まで見たことのない互い違いのシート配列が広がります。写真で見るよりも色は落ち着いていて、シートひとつひとつはかなり大きいです。1-2-1という贅沢なスペースは、ちょっと前のファーストクラス以上のスペースを確保しています。この新シートの導入により当然座席数は減るのですが、巧みなデザインで、スペースをうまく使っているのがわかります。
席により、若干差があることがわかります。例えば、窓際のシートから窓外を見たい場合は、ちゃんと予約しないと通路側になってしまいます。要はシート位置が通路側でサイドテーブルが窓側になるのです。12列目と14列目は窓がないので、折角窓側を予約しても外を見ることはできません。もしどうしても窓外が見たい方は、事前に座席指定をお勧めします。また、一人旅やビジネス客には適したプライベート重視の設計ですが、夫婦や恋人同士の場合は、席が離れてしまうので、通路を隔てて両側に隣になる席を予約すべきです。そうしないと機内では最愛の人と話をしないで終わってしまいます。

席に座ってみると、自分の席の脇に席とほぼ同じ幅のテーブルがあります。テーブルの縁には青いLEDライトが光っていて落ちつきます。このサイドテーブルがとても便利です。食事の時に読んでいる本や雑誌を置いたり、PCを立ち上げたまま食事をとることも可能です。テーブルにはペットボトルを置く入れ物、本棚、LEDライトが設置されていて、限られたスペースをとても有効に使うことが出来ます。座席は、今回から180度フルフラットのベッドになります。但し、以前あったマッサージ機能と座席下からせり上がってくるオットマン機能はなくなりました。リラックス状態の時に足を伸ばせるのがビジネスクラスの利点でしたが、今回は、強引にモニター下のオットマンに足を入れるしかありません。180度ベッドはとても快適で、以前のように寝ていると重力に従い、床に近づくこともなくなりました。ベッドパットもついているので爆睡できます。実際、私の乗った便ではおおくのおじさん客が大きな鼾をかいて寝てました。それほど熟睡できるということですね。
モニターは大きくタッチパネル方式になりました。もちろん今まで通りリモコンでの操作も可能です。とても見やすく快適ですし番組数が増えたのでもし眠れなくても十分楽しめる程です。このモニター、HDだと思うのですが、上映されている番組は全てSD画質でした。ニュースなどいくつかの番組は、圧縮率を高めた設定なのでさらに画質が悪いです。映画によってはアスペクトが間違っていてスクイーズ再生されてしまうなど問題もあります。これは早急に改善して欲しい点です。
私が気に入ったのは、スカイマップです。今までは飛んでいる場所を表示していましたが、今回から「飛行ルート」「タイムゾーン」「オートズーム」「高解像度」と4つの表示が出来るようになりました。特に「高解像度」では、今飛んでいる場所の綺麗な地図が表示され、窓外の実際の景色と見比べることができます。
さらに「世界地図」「方向表示」も見ることができます。これは便利です。
モニターからは、食事と機内販売のオーダーをすることができるという説明でした。今までのようにCAを呼ばなくてもモニターからお願いできるのは素晴らしいはずです。しかし、実際は、モニターで食事のリストは見られるもののオーダーすることはできませんでした。これもいずれはタッチパネルでオーダーできるようになるのだと思います。

シートテレビには、面白い機能が付いています。「シート to シート メッセージ」は、機内の知り合い同士がチャットできるサービスです。「iPod接続」はiPodを接続してモニターで楽しめます。「USBメディアプレイヤー」はiPod以外のメディアプレイヤーを接続するサービスです。
早速使ってみましたが、何故か私のシートではiPodもメディアプレイヤーも認識しませんでした。シートが悪いのかサービス自体が始まっていないのかわかりませんが、早くこのシステムを使ってみたいです。
今回乗って嬉しかったのは、トイレにウォシュレットが付いたことです。アメリカではウォシュレットはあまりみかけません。機内のトイレにウォシュレットが搭載されているなんて夢のようです。本来ANAは、新しく導入するB787からウォシュレットを導入する予定でしたが、787の開発が遅れたため、777に導入したそうです。今後はANAの新機材にウォシュレットが導入されるそうです。これだけでもANAを選ぶ価値がありそうです。
<ソフト>
新しいサービスは、かなり細かなところまで改訂されています。機内食、アメニティなどが全て一新されています。
ミールサービスですが、機内にはANA Sky Conciergeという冊子が置かれています。この本には新しいビジネスクラスでのくつろぎ方が書いてあります。"旅の空間を自分スタイルにアレンジする”というコンセプトのもと、好きな食事を自由に食べられるというサービスは、ヴァージン・アトランティックのフリーダム・ミールと似ており、とても楽しみなサービスです。
しかし残念なことに食事のシステムがとてもわかりにくいのです。
ANA Sky Conciergeには、"食事の時間もスタイルも思いのまま"と記載されていますが、実は思いのままではありません。食事にはアラカルト部門とセレクト部門、そしてコースがあります。この中から好きな食べ物をチョイスしてCAにお願いするのですが、選び方が複雑すぎて理解できません。誌面の説明不足が一番の問題です。1人1人のお客さんに毎回同じ説明をするCAが気の毒でした。私はビジネスクラスの後方に座っていたのですが、CAが食事のオーダーを聞きに来るまでに1時間は過ぎており、CAは説明でクタクタ。彼女は、私に詳しく説明する元気が残っていませんでした。
そこで、CAに一番負担のかからないワンプレートのANAセレクトから燻プレートをオーダーしました。大きなお皿にハンバーグが置いてあり、脇に野菜が1種類添えてあるだけです。これなら、ハンバーグを温めソースをかけ、野菜を添えるだけです。他の複雑きわまりない個別オーダーに比べるとかなりCAの作業を軽減できるはずです。私は搭乗前に寝る時間がなかったので、早めに食事を食べ、すぐに睡眠に入りたかったのです。

しかし、私のテーブルにハンバーグがやってきたのは、成田を飛び立ってから2時間40分後でした。オーダーから1時間40分、寝ることも出来ず、かといって催促することも出来ず(CAはかなり忙しそうでした)、皆じっと待つのみ。それでも私にはコンパートメント内では最も最速に食事がでてきたようです。ANAセレクトのワンプレートをオーダーした人は、早かったので正解でした。かわいそうなのは、はりきってアラカルトでオーダーした人たちです。私の近くに座っていたアメリカ人女性は結局オーダーから2時間後にやっと1皿目のサラダがやってきていました。私がハンバーグを食べ終わってから暫くして、やっと来たサラダに彼女は苦笑していました。この頃になると、客の多くが不満を噴出しはじめ、機内は険悪なムードに。それでもCAは懸命に作業しているので、客は近くの人とイライラを共有しながらじっと待つしかないのです。
さて、私は10分程度でハンバーグを食べ終わりました。のどが乾いたので何回か私の近くを通るCAに、ワインでもビールでもいいので頂けないかとお願いしたのですが、忙しそうなCA達は返事はするものの飲み物は持ってきてくれません。まあ、忙しいから仕方がないと30分程待っていると、ひとりのCAが飲み物が欲しいかどうか聞きに来てくれました。しょっぱいハンバーグを食べてかなりの時間が経過しており、とても嬉しい気遣いにワインをお願いしました。すると、ワインの瓶には、あまり残りがなかったようで、コップに注がれたワインは3cm程度でした。たぶん一口で飲みきるほどの微量だったのです。アッ!と思ったCAは、そのまま前方へ。きっと同じ銘柄のワインを開けてつぎ足してくれるのだろうと待っていたら、結局何も提供されませんでした。
これは、私の周りのお客さんも一緒で、水すらない状況で黙々と出てくる食事を食べていました。もはやおおくを期待してはいけません。とりあえず出てきた食べ物を食べること、これが目的と化していました。
私がとっくに食べ終わったハンバーグと一口で飲み干したほんのちょっとのワインが入っていたグラスは、その後1時間半ほど、私の前に放置されていたのです。何度か、私の横を通り過ぎるCAさんに下げて欲しいとお願いしたのですが「はい」とは言えど、誰も下げてはくれないのです。きっと他のお客さんのアラカルトを出すのに精一杯のCAは、片付けは後回しになってしまっているのだということがわかります。
結局、何度か丁寧にお願いしてやっと冷たくなった皿とグラスが下げられた頃は、日付変更線を通り過ぎ、米国本土が近づいてきた頃でした。
私は、たった一皿のハンバーグをお願いしたばかりに睡眠を取ることが出来ず4時間以上が経過してしまったのです。お腹がすいていたけれど、何も食べずに寝てしまえば良かったと大いに反省しました。で、やっと180度フラットベッドで眠ろうとすると、デザートのオーダーを取りに来ました。これに関わると、到着地に着いてしまうので、丁寧に辞退して睡眠時間を作りました。
ほとんど睡眠をとれず、到着2時間ちょっと前に目覚めると猛烈にお腹が空いていました。仕事が忙しく食事をしていなかったのと、機内でハンバーグをひとつ食べただけなので、確かに空腹なのです。そこで、寝るのは諦め、再びANA Sky Conciergeから和食のコースをお願いしようと思いました。ANAは、食事のオーダーは取りに来ないシステムなので、自分で申告しなければなりません。するとCAは、和食のコースはオーダーできないと言うのです。きっと搭載在庫がなくなったのだろうと思ったら、そうではなくコースは搭乗してすぐのタイミングしかオーダー出来ないシステムになっていると言いました。仕方がないので、和のセットをお願いしそれをいただきました。その後ANA Sky Conciergeを何度読み返しても、その旨は記載されておらず、しかも厳しい口調できないと言われ、かなり悲しくなりました。
過去に記してきたとおり、私はANAの機内食のファンでした。CAのサービスもこなれていて味も良かったのです。しかし、新しいミールサービスは、システムに問題があり、それにCAと客が振り回されるというマネージメントの大失敗の産物でした。
ネットやANAの広報誌などを読むと、とても素晴らしい試みに思え楽しみにしていたのですが、実は問題が山積しており、この大問題を早急に解決していかないと客離れが加速してしまいかねないほどでした。
行きのハンバーグ、帰りのステーキは、とても美味しかったです。ただ、私が好きだった搭乗後に出てくるチーズのスナックや出汁のきいたうどんはメニューか消えてしまいました。さらにグラスに入ったパフェもなくなっています。ANA独自のメニューが消えてしまったのはとても残念です。是非、今までのメニューを復活してほしいです。そして複雑きわまるメニューやオーダーのシステムを改善して貰いたいです。実はメニューはそれほど増えていません。オーダーのバリエーションを増やしただけです。今までも、お客は好き勝手に様々なものをオーダーし、それにCAが応えてくれたので、今までのサービスで全く問題がないので、システムを戻すのが一番の改善だと思いました。
或いは、ヴァージン・アトランティックのように完全なフリーダムミール制を導入し、CAにも事前に入念な研修を施すべきです。とにかく一生懸命のCA達が気の毒でした。
4月から始まった新しいコンセプトのANAビジネスクラス。ハードは素晴らしくまた乗りたい気持ちにさせてくれますが、サービス、特に機内食に関してはまだ未成熟な気がしました。ミールサービスで嫌な思いをしても料金を払うくらい素晴らしいシートなので、皆さんも是非ANAに乗ってみてください。
きっと数ヶ月もすると、機内サービスは改善され快適な旅行ができるようになっていると思います。
今後、この新しい機材はニューヨーク線で毎日運行され、ヨーロッパ便にも拡大されるそうです。
シティ センター (ラスベガス) [>las vegas]

今回は、2009年末にオープンしたアメリカ最大の8000億円をつぎ込んだ巨大プロジェクトを紹介します。
上の写真を見てください。シティセンター全景です。右に見えるのがベラッジオの「o」のサインです。左に小さくモンテカルロが見えると思います。
昨年末以降ラスベガスに行かれた方は、ベラッジオの南側に出現したこの大規模な施設に驚いたのではないでしょうか。これは、数年前から開発が続いていた2つのエリアです。ひとつは今回紹介するシティセンターですもうひとつはシティセンターとベラッジオの間に細長く作られたコスモポリタンです。この2つのエリアは開発時期がほぼ同じでデザインもガラス張りで似ているので、ひとつのかたまりに見えるのです。
もともと、この場所は巨大な空間でした。しいてあげるとジョッキークラブというさえないホテルと観光用ヘリポート、そしていくつかの小さなお土産物店があったくらいです。なので、ベラッジオからこの土地を挟んだモンテカルロやニューヨークニューヨークに行く場合は、このかなり距離のある土地の脇をダラダラと歩かなくてはいけませんでした。一時は、ベラッジオ=モンテカルロを無人のモノレールが動いていたこともあります。これはなかなか便利で、無駄な徒歩移動を大幅に短縮してくれましたが、しばらくすると運休してしまいました。

実は、この場所に新しいコングロマリットを建築しようという計画は何度も現れ消えていきました。そしてMGMが、自社の資金とファンドからの資金を集め巨大な博打を張ることになったのです。企画当時、アメリカは好景気に見舞われラスベガスの人口は増えるばかり。観光客も大量に押し寄せホテル需要がありました。各ホテルは新館を建築し、どこも繁盛していました。MGMは、この大規模プロジェクトが成功するだろうと確信していたと思われます。
しかし、リーマンショック以降ラスベガスは様変わりし、景気は急に冷え込みました。これによりMGM社の株価は大暴落し、会社自体が破産する直前まで追い込まれます。当然シティセンターの建築も何度か中断してしまいます。マスコミは、このプロジェクトは完成しないのではないかと噂し始めました。そんな中、新たな資金拠出社が現れなんとか完成したのです。
施設は広大なため、いつオープンしたのかはっきりしません。ホテルのひとつVdara(a)は、2009年11月からオープンしました。Aria(f)は、2009年12月です。Mandarin(e)は2010年に入ってから、Harmon(b)はまだオープンしていません。クリスタル(c)は一部営業が始まっています。Veer(d)は、住人が暮らし始めています。施設全体が正式稼働するのは2010年末頃になるようです。
では、シティセンターを紹介していきます。
モノレール
まず、この広大な施設にはモノレールが走っています。駅はAriaとCrystalsの間にあります。このモノレールには3駅あって、シティセンター駅が真ん中になります。北側の駅はベラッジオの新館、南側はモンテカルロの隣にあります。このモノレールにより、ベラッジオ=シティセンター=モンテカルロが繋がりました。3つともにMGMの経営ですから当然ですが、このモノレールはとても便利です。ちなみにかつてほぼ同じ軌道を走っていたモノレールとはデザインや構造が異なります。
乗車料は無料です。
Aria Resort & Casino

シティセンターの中心と言うべき巨大ホテルです。勿論ロビー階には大きなカジノがあります。車でのアプローチは、ビルの裏側になります。弧を描いた建物で、ガラス張りです。ラスベガスにあるどこかの国を模したテーマホテルと比べると品が良く、ちょっとビジネスライクな建物です。内装はモダンコンテンポラリー、品が良く30代~40代に受けると思います。カジノも小綺麗で他のホテルにあるカジノとちょっと違います。
部屋は4004室もあります。いくつか種類があり、スイートは568室あります。どれも快適です。そして広いです。私は、今後暫くはこのホテルに泊まりたいなあと思いました。しかし、正月やスプリングブレイクの時期はチェックインにかなり時間がかかります。
レストランは16、バーは10あります。どこも洒落たデザインで、そこにいるのが楽しいです。レストランの味は期待しないでください。
Mandarin Oriental Las Vegas
http://www.mandarinoriental.com/lasvegas/
世界中に展開しているマンダリン・オリエンタルのラスベガス版です。ここは、392室のホテルと225のレジデンスからなる42階建てのビルです。他のホテルと比べると規模が小さいので、快適です。サービスはマンダリン・オリエンタルに準拠します。レストランは6個あります。
Vdara
シティセンターのかなり奥まったところにあるホテルです。

ここは、元々コンドミニアムとして作られました。しかし部屋の殆どが売れず、結局ホテルという扱いです。しかしいくつかの部屋は既に売れていて、そこは部屋を借りているというスタイルになります。とはいっても知らなければホテルとしか思えません。
ここは、1495のスイートルームです。ベッドはどの部屋もキングベッドがひとつです。友達同士で予約するには向いていません。家族かカップルにお勧めです。コンドミニアムだけあって、部屋には簡単なキッチンとかなり広いバスルームがあります。
レストランとバーが1つずつあります。バーが素晴らしく、夜遅く訪れテラスで飲むと楽しいです。
ここは、場所が奥まっていてカジノがないのでいつも空いています。アリアからは直ぐアクセスできるので、アリアが混んでいる場合はヴィダラに逃げてくるのが正解です。
ちなみに一番近いモノレール駅はシティセンターではなくベラッジオ駅です。ベラッジオにはスカイウォークで繋がっています。ロビーから数分でベラッジオにたどり着きますし、そこにモノレールの駅もありますが、ここはベラッジオの新館です。本館まではベラッジオの敷地内を延々と歩くことになります。
The Harmon Hotel
ビルの構造上の問題が発覚し、現在もオープンしていません。ウェブサイトはオープニング・スーン。本当にオープンするのでしょうか?
ハーモンホテルは、The Light Group という高級ブティックホテルやクラブを運営する会社がオペレーションを担当する予定です。かなりナイトクラブっぽいホテルになるのではないでしょうか。
Veer Towers
シティセンターの真ん中に斜めって聳え立つ2つのタワー。これはレジデンス練です。ホテル機能はなく、購入者のみが使う日本におけるマンションのような存在です。ここは、比較的売れているようで、正月には殆どの部屋に人影が見えました。
Crystals

シティセンターのセンター、ストリップに面した銀色の建物がクリスタルズです。ここは、モールです。かなり高級志向なブランドを揃えています。殆どの観光客が、まずはこのクリスタルズに入り、ここを経由してシティセンター内のホテルやレストランにアクセスするようです。そういった意味では、シティセンターの核となっています。モノレールの駅もこのビルにあります。
右の写真は、クリスタルズの中です。とても綺麗で広いです。
シティセンターには、シルク・ドゥ・ソレイユの新しい劇場もオープンしました。ここではELVISというエルヴィス・プレスリーに纏わるショーが行われていますが、いわゆるシルクではなく、エルヴィスをメインにしたパフォーマンスです。
このシティセンター、まだオープンしていない部分もあるので全貌はわかりませんが、言えるのはこの施設は、アメリカで最大の面積を誇り、アメリカで一番資金を投下したということです。
今後の景気の影響も受けますが、きっとラスベガスの顔となっていくでしょう。そのくらい、ラスベガスの外観を変えてしまったビル群なのです。
東海道新幹線 の Pros & Cons [diary]

最近、いろいろと話題の新幹線。その中でも一番歴史が古く利用客がおおい東海道新幹線について記そうと思います。といっても、車両や利用方法などに関しては様々な書籍やブログで語り尽くされているので、ここでは「旅行の達人」流、ちょっと贅沢な旅行者にとっての新幹線のサービスについてPros(良いところ)とCons(悪いところ)を見ていきましょう。
Pros
正確な運行システム
世界中の交通システムで日本ほどきちんとスケジュール通りに運行されている鉄道はないと思います。それほどに素晴らしいです。特にJR東海の新幹線は、超特急にもかかわらず過密ダイヤに対応し、分単位での正確さ、これに勝てるシステムはないでしょう。JR東海は、運行システム作りに相当な研究と費用を投入してきたはずです。既に古い線路設備を維持しつつ、レールのカントを調節したり、使う車両の性能を揃えるなどして安全で正確な運行を行っています。
運行に関しては、これを見るためにイギリスからツアーが組まれるほど、世界の鉄道ファンから興味を持たれており、日々起こる気象の変化までもシステムに取り入れ進化するシステムには脱帽させられます。
きめ細やかな車内サービス
外国から来るとちょっと丁寧すぎますが、車内の電光表示やアナウンスは臨機応変で旅慣れない人でも安心できるよう心配りが行き届いています。
グリーン車では、おしぼりサービスが素晴らしいです。駅では時に汗をかいたり乗り遅れそうになって焦ったりするケースがありますが、席に着くと直ぐにおしぼりが出てきてホッとします。さらにグリーン車には、専門の雑誌が備え付けられていて嬉しいです。カートによるミールサービスも欲しい物があって気が利いています。沢山の客をさばいているのに、いつも笑顔の販売員にはいつも感謝させられます。
このように日本らしい心配りの文化を最新の新幹線に取り入れているのは、日本人で良かったなあと思える瞬間です。
Cons
チケットの購入
これは海外の鉄道も同じなのですが、チケットを購入するのが不便です。駅で買う場合は、基本ならばなくてはいけません。ウィークエンドの「みどりの窓口」は、いつも長蛇の列で、うんざりします。
ここ数年で駅の券売機の性能が格段にアップし、列の最後尾に並ばなくてよい選択肢ができたのは嬉しい限りです。ただ、JR各社ごとにシステムが違い、インターフェイスが異なるのはどうにかしてほしいです。そして使いにくい。1ルートの購入は簡単ですが複雑なルートのチケット購入は、システムを熟知していないと使いこなせません。
最近は、ネットでチケットを購入できるようになりました。これは素晴らしいです。しかし、現時点では複雑なルートのチケットは購入できません。そしてアクセスが集中するとエラーが頻発します。ネット販売もJR各社ごとに別々のサイトがあり、決済方法などが異なります。これもとても不便なんです。
例えば、JR東日本のサイトで品川発 - 大津着のチケットを購入しようと思います。まず、この区間を利用するほとんどの人は新幹線を利用するはずです。説明通り購入手続きを進めていくと、何度試みても特急券と乗車券を購入することはできません。これはシステム設定のミスです。結局、東京 - 京都と京都 - 大津のチケットを別々に買えば解決するのですが、そのような指示や提案は全く表示されません。地図や路線図を完全に把握し、乗車券のルールを知らないとチケットは買えないのです。この場合、品川から西に進んで、大津を通り過ぎ、京都で新幹線を降り、在来線で2駅東に行くのが問題です。この問題、瞬時に理解できる人が世の中にどのくらいいるのでしょうか。
そして、往復チケットを購入する場合は、チケットはJR東日本圏内の駅でチケットをピックアップする必要があります。航空券のようにとりあえず行きだけチケットを入手し、帰りに駅でチケットを入手できません。京都でチケットをピックアップできるのは、JR東海かJR西日本のシステムでチケットを予約した人のみなんです。
JR各社の仲が悪いとか、システムが別々だという理由は利用客にとってはどうでもよいことです。何故先進国の日本でこのような不体裁のサービスを続けているのか理解に苦しみます。
駅の設備

決定的に駄目なのは、駅です。ヨーロッパの鉄道駅は、新しい物も古い物も町のランドマークとなっています。ユニバーサルデザインを積極的に取り入れ、誰にとっても使いやすいサインと設備が整っています。それに比べると新幹線の駅はとても貧弱です。かつての日本の駅はもっと素晴らしかったです。しかし、その後民営化されてから、コスト至上主義に陥り駅のデザインやユニバーサルデザインは忘れ去られてしまいました。旅行は古今東西、人生の思い出となるものです。是非ヨーロッパの駅を見習ってほしいです。
新幹線の駅で直ぐにでも設置して貰いたいのは、ラウンジです。右の写真は、パリのユーロスター客用ラウンジです。このようにユーロスターには素晴らしいラウンジが用意されています。残念ながら新幹線にはこのような場所はありません。
駅に早く着いた場合、待つ場所に困ることがあります。特にVIPや体の不自由な人にとって、お金を多く払っても使いたいのがラウンジです。新幹線が到着するまでのんびりとできる場所、すいていて綺麗でおおきなトイレがある場所は、女性にとっても必要な場所だと思います。
優雅な旅
新幹線を頻繁に利用する客のおおくは、ビジネスマンでしょう。東京と大阪を何度も往復する人々です。彼らは、とにかく早く移動できればいいのです。でも、そうではない人もたくさんいることをJRは理解するべきです。例えば大阪 - 札幌を走るトワイライト・エクスプレスや東京 - 札幌を走るカシオペアは高い人気を誇ります。これら乗客は、列車の旅を楽しんでいるのです。
このように優雅な旅をしたい客から見ると新幹線はなんとも貧相です。運行密度を上げるためという理由で、N700系以外の車両は東海道新幹線からは締め出されてしまいます。運行第一、利益第一なのは企業として理解できますが、旅人からしてみると、時に500系に出会ったりするのが旅の楽しみでした。食堂車も同じです。食堂車を連結するよりも座席にしたほうが儲かるのでしょう。しかし私が子供の頃、両親と一緒に乗った新幹線で立ち寄った食堂車は今でも素晴らしい思い出として心に刻まれています。現代の子供はそのような体験ができないのが残念です。

ユーロスターの食堂車。席にもミールサービスが付いていますが、こういう車両での食事も思い出に残ります。
ここ数年、観光省が設置され積極的に外国人観光客を誘致しようと必死になっています。この件に関してはおおくの問題があり、個人的には税金の無駄使いだと思っています。もし本腰を入れるなら、ベーシックな部分の改革が必要です。しかし役所は表面の問題やコストのかからない小手先改革ばかり行っています。土台をしっかり作らないで壁の素材にばかり気を取られているようにしか見えません。
JRも利益追求主義に陥り、心の豊かさを忘れてしまいました。とにかく質素な駅を作り、効率をMAXにするために多くのゆとりと心を置き去りにしてしまいました。
その結果、ここであげたように素晴らしい運行システムと利益効率を手に入れ、目に見えない心を捨て去りました。
果たしてこれが、将来の日本、交通システムにどのような影響を与えるのでしょう?私には、運行が多少正確でなくても人の心が通った文化のほうが魅力的に見えます。
先日、旅行中にオランダで起こった中距離列車の運休、私たちは途中駅で足止めです。そんなとき、見知らぬオランダ人が私たちに声をかけてくれ、いろいろとケアしてくれました。こういったことも旅の良い思い出です。勿論ケジュール通りの運行が良いに決まっていますが、利益の追求と心ある旅という相反する目標においてどのあたりが落としどころなのか探る必要があると思います。
特に日本を代表するSHINKANSENでは、海外の観光客に旅の思い出となるような素晴らしいサービスを提供してあげたいと思います。個人的には、駅構内に挽き立てコーヒーが売っていないのは致命的だと思います。私が知る限り東海道新幹線には品川駅のスターバックスしかないです。あの不味い缶コーヒー文化は日本オリジナルです。コーヒーの味にうるさい外国人には受け入れがたいのです。
いつの日か、ユーロスターを上回る快適な旅が日本でも実現することを夢見て。
Go West ! ルート66 の旅 8/8 <ニューメキシコ州> [>route 66]

ルート66の旅は、今回が最終回です。これまでシカゴの起点を出発しニューメキシコ州アルバカーキまでやってきました。とても長い旅ですが、各町にはそれぞれ色があり、住人の生活があり、日本では伝えられていない真のアメリカを感じるものとなりました。日本人向けのパッケージツアーやガイドもないので、実際にルート66を旅することは簡単ではないかもしれませんが、短期間のツアー旅行では得ることの出来ないものを心に溜めることができました。
さて、今回もニューメキシコ州を紹介します。テキサス州からニューメキシコ州に入りツゥクムカリ、サンタ・ロサという懐かしさの漂う2つの町を通り過ぎました。そして、ルート66は2つにわかれます。前回は1937年以前のルート66を旅しました。大きく北に迂回するルートです。今回は1937年以降のルート66です。ほぼ西にまっすぐのびる山岳道路です。

ご存じの通り、アメリカには国内に時差があります。西に向かって走る我々は時間帯のラインを越えると時間を1時間戻すということをしました。タイムゾーンが変わると1時間得するのです。大きく引いてみると、我々は太陽を追いかけて走っているのです。でも太陽の速度(地球の自転)のほうが車の速度よりも早いので、時間はどんどん経っていってしまいます。ただ、ちょっとだけですが時間のマジックが起こります。太陽は先に行ってしまいますが、ちょっとだけ追いついていくのです。
ニューメキシコ州の1937年以降のルート66は、州間高速40号線に塗りつぶされています。結果我々は高速道路をかなりのスピードで走ることになります。その時間が丁度夕方に重なると、かなり長い間マジックアワーを楽しめることになるのです。普通マジックアワーというのは、日が暮れる15分程度で終わってしまいます、我々が体験したのは、1時間以上も延々とマジックアワーが続くのです。夕日を追いかけ20分くらい経つと、空は赤くなります。速度を上げ西に走り続けると、40分以上この美しい夕焼けを見ることが出来ます。そして赤い空は紫色になりました。この不思議な色の空も20分くらい続きます。そしてやっと暗くなり、夜へと向かうのです。
この空のマジック。真西に走る高速道路で、晴れた日ならば世界中どこでも体験できますが、かなりの距離をまっすぐ西に進まなければならないため日本では不可能です。アメリカなど東西に長い土地があり、しかも平らであることが条件となると、実はそれほど体験できる場所がないような気がします。皆さんもアメリカ横断する際は、是非この1時間以上もある魔法の時間を体験してみてください。
州間高速40号線は、大きな山脈を上り始めます。ニューメキシコ州に入ってからすでに標高はかなり高くなっていますが、さらに登っていくのです。我々は、ここで雪に見舞われました。道になにやら白い粉が落ちているなあと思っていたらもの凄い勢いで雪が降ってきます。日本だったら道路は閉鎖されるでしょう。しかしアメリカでは特に規制もなく大型トラックがかなりのスピードで走っています。さらに進むと、パワーのない車がスリップしています。それでもなんとか事故を起こさず走り続けていました。そういう間にどんどん高度は上がっていきます。遂に路肩にはスリップして車線を外れた事故車が無数に現れます。近くに町はないようですが、パトカーが事故車両の脇に止まっています。この時期、毎日何台のパトカーが出動しているのでしょう。そして何人の警察官が常駐しているんでしょう。とにかく次から次へと事故車が見えてきます。殆どが単独事故です。複数の車両が衝突するケースは少ないようでした。事故が多発している光景を見て、車のスピードは一気に落ちます。そして渋滞が発生しました。雪の降る山の中で、慈渋滞すると、なんとなく嫌な雰囲気が漂います。どのドライバーも一刻も早くこの場を通り過ぎたいという焦りとスピードを出すと事故を起こす確率がとても高いというジレンマに陥っているのです。
そして1時間くらいすると道路は下り坂となり、だんだん高度が下がっていきました。それに伴い雪の量も少なくなっていきました。ただ、この下り坂が結構険しく、油断すると車ごと谷底に落ちてしまいます。ここでスリップしたら命はないでしょう。慎重に慎重にエンジンブレーキを使いながら坂を下っていきました。
するとアルバカーキの夜景が見えてきました。この町の光を見て安堵のため息がでました。アルバカーキの町は雪すら降っておらず、至って普通の生活をしている普通の町でした。数時間前の豪雪地帯のドライブはまるで悪夢のように感じました。
Town of Albuqurque

アルバカーキはニューメキシコ州最大の都市で、人口は45万人だそうです。10階以上の高層ビルが9つあり、小規模ながら摩天楼を形成しています。町には学生の姿がおおく見られ夜はナイトクラブなどが賑わっています。旧ルート66は、町中を走っていて「ルート66ダイナー」とか「ルート66モーテル」という名の商業施設がかなりあります。
アルバカーキは、現在映画の町として有名です。「ハイスクール・ミュージカル」の舞台もアルバカーキです。現在アルバカーキは映画TV産業に対し特別な税制措置をとっています。撮影で使った制作費の中でアルバカーキで支払った税金を戻しているのです。100億円規模の映画の消費税はアメリカでは10億円程度です。これが戻ってくると言うことは、単純に税金分の節約になると言うことです。現在おおくのハリウッド映画が、ロサンゼルスではなくアルバカーキで撮影されているのはこういうからくりがあるのです。
政府は、この税制措置で何を得ているのでしょう?まず雇用があります。映画産業が定期的にアルバカーキを使うことでスタッフの雇用がうまれます。これにより失業率が減るのです。次にロサンゼルスから訪れるスタッフ、キャストが映画制作以外で落とすお金もかなりの量になるのです。これが町の商業を潤します。このように税で損して、その他で大きく理を取っているのです。
日本では、各町にロケーションボックスなるものができていますが、内情はただの田舎のミーハー集団で、映画産業にはメリットがありません。こういう本来の行政のシステムを日本は何故学ばないのか不思議です。
アルバカーキを歩いていると、映画撮影に出会えたりしますし、アルバカーキで撮影された映画のロケ地巡りをするのも楽しいですね。
ルート66関連だと、Royal Motor Inn、 Town Lodge Motel、 Aztec Motelなどの見所があります。
Night View of Albuqurque
アルバカーキの夜景は、アメリカで一番だという人がいる程とても美しいです。それはニューヨークのものでもないしグリフィス・パークから見るロサンゼルスのものとも違います。星を鏤めたような横に広い夜景です。町の周りには何もないので、夜景が余計に引き立っているのです。この夜景を見るには、町の西側がベストポジションです。州間高速40号線は、アルバカーキを出ると緩やかに高度を上げていきます。この途中から見る夜景が最も美しいはずです。

Granz Restaurant
アルバカーキを出ると、そこはメサが立ち並ぶ山脈です。丁度アメリカ大陸のコンチネンタル・ディバイドがある地域です。ここを境に雨は西海岸と東海岸に流れていくのです。景色はグランドキャニオンやモニュメント・バレーのような奇妙なものに変わってきます。このあたりはグランド・サークルと呼ばれるアメリカ国立公園郡の東端ということになります。山と言うより垂直に切り立った壁のようなメサ、その上に住む人々、深く削り取られた渓谷が現れてきます。急に別の惑星に来てしまったような景色に驚かされますが、このような不思議な景色は、この先アリゾナ州が終わりカリフォルニア州に入る手前まで続くのです。
グランツ(Granz)は、そんな地球ではないような景色の中にポツンとある町です。人口は9000人。かつて鉄道建設のために作られた町だそうですが、現在は農業が主要産業だそうです。そんな町にルート66が通ったので、宿場町という顔も持つことになりました。町は長閑で古き良きアメリカを残しています。グランツ・レストランもそんな佇まいの食堂です。
グランツからは、さらに標高が上がります。我々が行った時は、猛吹雪でした。アルバカーキ手前の山越え以上の雪となり、クラッシュしている車は数知れず、なんだか大変なことになってきました。それでもなんとかニューメキシコ州の端まで行こうと決意し、西に向かいました。結果直に遭遇することもなく無事予定通りルート66を走破しましたが、今振り返ってみるとグランツ-ギャラップ間はとても危険でした。
Roadrunner Motel

ニューメキシコ州最後の町ギャラップにあるなんともかわいいモーテルです。隣にカフェも併設されています。ギャラップは旧ルート66がメインストリートになっていますので、観光は簡単です。町の東にこのロードランナー・モーテルがあり、西に次に紹介するエル・ランチョがあるので、その間を散策すれば良いのです。この町は、古き良きアメリカ、60年代のアメリカ文化の色を残しつつ、西部開拓時代の色も併せ持っています。この2つの相容れないデザインセンスが混じっているのが面白かったです。東側が60年代のアメリカ、そして西側が西部劇のようです。それがグラデーションとなって変わっていきます。
Motel El Rancho
かつて西部劇が全盛だった1937年にグリフィスによって建てられたのがエル・ランチョです。この町には、撮影のベースが作られました。エル・ランチョはハリウッドからやってくるキャストやスタッフを収容する豪華なホテルとして繁栄したのです。ホテルに入るとここに滞在したスターの写真が飾られています。映画史に残る有名人の殆どはこのホテルに来ているのではないでしょうか。ジョン・ウェイン、ロナルド・レーガン...彼らがここにいたことを考えるだけで楽しくなります。
現在もこのホテルは営業中です。

Diary from the Traveler -----
イリノイ州、ミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州と6州を横断したルート66の旅、遂にここギャラップで終了です。ギャラップを出ると、すぐアリゾナ州に入ります。アリゾナ州から先カリフォルニア州サンタモニカの終点までは、既に旅しており、その記録はこのブログに記しています。
ルート66全てを走ってみてわかるのは、アメリカという国の魅力とそこに住む人々の素晴らしさです。印象に残ったのは、景色というより住人の作り出した文化や彼らとの交流です。こういうアメリカの良い部分が日本で報道されていないのはとても残念です。せっかく貴重な体験をしたので、8回に分けて普段知ることの出来ないアメリカを記してきました。皆さんのアメリカ感が少しでも良い方向に変わったならとても嬉しいです。
ルート66の全行程については、もう一度検証し、きちんとまとめ直してサイトを作るつもりです。宜しかったらご覧下さい。
そして、いつの日かルート66を旅するときの情報源として使ってください。
http://uscity.hp.infoseek.co.jp/route66/index.html






