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ANA ビジネスクラス 体験記(2010年版) [airlines and lounge]

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■ANAビジネスクラスに関しては最新記事(ANAビジネスクラス(2013版))があります。■

2010419日よりニューヨーク線で新しいハードの導入が始まったANAの新しいビジネスクラス。これに伴い欧米戦の全てでソフト面のアップデートが行われました。このハードとソフト両面での大幅なアップデートを早速体験しました。

 

<ハード>

今回の目玉であるスタッガード・シート。

驚くほどアップグレードされたシートは、ANAの今回の改革の目玉です。

 

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新しいボーイング777-300に乗り込みビジネスクラスに入ると、目の前には今まで見たことのない互い違いのシート配列が広がります。写真で見るよりも色は落ち着いていて、シートひとつひとつはかなり大きいです。1-2-1という贅沢なスペースは、ちょっと前のファーストクラス以上のスペースを確保しています。この新シートの導入により当然座席数は減るのですが、巧みなデザインで、スペースをうまく使っているのがわかります。

席により、若干差があることがわかります。例えば、窓際のシートから窓外を見たい場合は、ちゃんと予約しないと通路側になってしまいます。要はシート位置が通路側でサイドテーブルが窓側になるのです。12列目と14列目は窓がないので、折角窓側を予約しても外を見ることはできません。もしどうしても窓外が見たい方は、事前に座席指定をお勧めします。また、一人旅やビジネス客には適したプライベート重視の設計ですが、夫婦や恋人同士の場合は、席が離れてしまうので、通路を隔てて両側に隣になる席を予約すべきです。そうしないと機内では最愛の人と話をしないで終わってしまいます。

 

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シートに座るとこんな景色になります。前後左右の人は全く見えません

css01_02.jpg席に座ってみると、自分の席の脇に席とほぼ同じ幅のテーブルがあります。テーブルの縁には青いLEDライトが光っていて落ちつきます。このサイドテーブルがとても便利です。食事の時に読んでいる本や雑誌を置いたり、PCを立ち上げたまま食事をとることも可能です。テーブルにはペットボトルを置く入れ物、本棚、LEDライトが設置されていて、限られたスペースをとても有効に使うことが出来ます。

座席は、今回から180度フルフラットのベッドになります。但し、以前あったマッサージ機能と座席下からせり上がってくるオットマン機能はなくなりました。リラックス状態の時に足を伸ばせるのがビジネスクラスの利点でしたが、今回は、強引にモニター下のオットマンに足を入れるしかありません。180度ベッドはとても快適で、以前のように寝ていると重力に従い、床に近づくこともなくなりました。ベッドパットもついているので爆睡できます。実際、私の乗った便ではおおくのおじさん客が大きな鼾をかいて寝てました。それほど熟睡できるということですね。

 

モニターは大きくタッチパネル方式になりました。もちろん今まで通りリモコンでの操作も可能です。とても見やすく快適ですし番組数が増えたのでもし眠れなくても十分楽しめる程です。このモニター、HDだと思うのですが、上映されている番組は全てSD画質でした。ニュースなどいくつかの番組は、圧縮率を高めた設定なのでさらに画質が悪いです。映画によってはアスペクトが間違っていてスクイーズ再生されてしまうなど問題もあります。これは早急に改善して欲しい点です。

私が気に入ったのは、スカイマップです。今までは飛んでいる場所を表示していましたが、今回から「飛行ルート」「タイムゾーン」「オートズーム」「高解像度」と4つの表示が出来るようになりました。特に「高解像度」では、今飛んでいる場所の綺麗な地図が表示され、窓外の実際の景色と見比べることができます。

さらに「世界地図」「方向表示」も見ることができます。これは便利です。

 

モニターからは、食事と機内販売のオーダーをすることができるという説明でした。今までのようにCAを呼ばなくてもモニターからお願いできるのは素晴らしいはずです。しかし、実際は、モニターで食事のリストは見られるもののオーダーすることはできませんでした。これもいずれはタッチパネルでオーダーできるようになるのだと思います。

 

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シートテレビには、面白い機能が付いています。「シート to シート メッセージ」は、機内の知り合い同士がチャットできるサービスです。「iPod接続」はiPodを接続してモニターで楽しめます。「USBメディアプレイヤー」はiPod以外のメディアプレイヤーを接続するサービスです。

早速使ってみましたが、何故か私のシートではiPodもメディアプレイヤーも認識しませんでした。シートが悪いのかサービス自体が始まっていないのかわかりませんが、早くこのシステムを使ってみたいです。


今回乗って嬉しかったのは、トイレにウォシュレットが付いたことです。アメリカではウォシュレットはあまりみかけません。機内のトイレにウォシュレットが搭載されているなんて夢のようです。本来ANAは、新しく導入するB787からウォシュレットを導入する予定でしたが、787の開発が遅れたため、777に導入したそうです。今後はANAの新機材にウォシュレットが導入されるそうです。これだけでもANAを選ぶ価値がありそうです。

 

 

<ソフト>

新しいサービスは、かなり細かなところまで改訂されています。機内食、アメニティなどが全て一新されています。

 

ミールサービスですが、機内にはANA Sky Conciergeという冊子が置かれています。この本には新しいビジネスクラスでのくつろぎ方が書いてあります。"旅の空間を自分スタイルにアレンジする”というコンセプトのもと、好きな食事を自由に食べられるというサービスは、ヴァージン・アトランティックのフリーダム・ミールと似ており、とても楽しみなサービスです。

しかし残念なことに食事のシステムがとてもわかりにくいのです。

 

ANA Sky Conciergeには、"食事の時間もスタイルも思いのまま"と記載されていますが、実は思いのままではありません。食事にはアラカルト部門とセレクト部門、そしてコースがあります。この中から好きな食べ物をチョイスしてCAにお願いするのですが、選び方が複雑すぎて理解できません。誌面の説明不足が一番の問題です。1人1人のお客さんに毎回同じ説明をするCAが気の毒でした。私はビジネスクラスの後方に座っていたのですが、CAが食事のオーダーを聞きに来るまでに1時間は過ぎており、CAは説明でクタクタ。彼女は、私に詳しく説明する元気が残っていませんでした。

 

そこで、CAに一番負担のかからないワンプレートのANAセレクトから燻プレートをオーダーしました。大きなお皿にハンバーグが置いてあり、脇に野菜が1種類添えてあるだけです。これなら、ハンバーグを温めソースをかけ、野菜を添えるだけです。他の複雑きわまりない個別オーダーに比べるとかなりCAの作業を軽減できるはずです。私は搭乗前に寝る時間がなかったので、早めに食事を食べ、すぐに睡眠に入りたかったのです。

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しかし、私のテーブルにハンバーグがやってきたのは、成田を飛び立ってから2時間40分後でした。オーダーから1時間40分、寝ることも出来ず、かといって催促することも出来ず(CAはかなり忙しそうでした)、皆じっと待つのみ。それでも私にはコンパートメント内では最も最速に食事がでてきたようです。ANAセレクトのワンプレートをオーダーした人は、早かったので正解でした。かわいそうなのは、はりきってアラカルトでオーダーした人たちです。私の近くに座っていたアメリカ人女性は結局オーダーから2時間後にやっと1皿目のサラダがやってきていました。私がハンバーグを食べ終わってから暫くして、やっと来たサラダに彼女は苦笑していました。この頃になると、客の多くが不満を噴出しはじめ、機内は険悪なムードに。それでもCAは懸命に作業しているので、客は近くの人とイライラを共有しながらじっと待つしかないのです。

 

さて、私は10分程度でハンバーグを食べ終わりました。のどが乾いたので何回か私の近くを通るCAに、ワインでもビールでもいいので頂けないかとお願いしたのですが、忙しそうなCA達は返事はするものの飲み物は持ってきてくれません。まあ、忙しいから仕方がないと30分程待っていると、ひとりのCAが飲み物が欲しいかどうか聞きに来てくれました。しょっぱいハンバーグを食べてかなりの時間が経過しており、とても嬉しい気遣いにワインをお願いしました。すると、ワインの瓶には、あまり残りがなかったようで、コップに注がれたワインは3cm程度でした。たぶん一口で飲みきるほどの微量だったのです。アッ!と思ったCAは、そのまま前方へ。きっと同じ銘柄のワインを開けてつぎ足してくれるのだろうと待っていたら、結局何も提供されませんでした。

これは、私の周りのお客さんも一緒で、水すらない状況で黙々と出てくる食事を食べていました。もはやおおくを期待してはいけません。とりあえず出てきた食べ物を食べること、これが目的と化していました。

 

私がとっくに食べ終わったハンバーグと一口で飲み干したほんのちょっとのワインが入っていたグラスは、その後1時間半ほど、私の前に放置されていたのです。何度か、私の横を通り過ぎるCAさんに下げて欲しいとお願いしたのですが「はい」とは言えど、誰も下げてはくれないのです。きっと他のお客さんのアラカルトを出すのに精一杯のCAは、片付けは後回しになってしまっているのだということがわかります。

結局、何度か丁寧にお願いしてやっと冷たくなった皿とグラスが下げられた頃は、日付変更線を通り過ぎ、米国本土が近づいてきた頃でした。

私は、たった一皿のハンバーグをお願いしたばかりに睡眠を取ることが出来ず4時間以上が経過してしまったのです。お腹がすいていたけれど、何も食べずに寝てしまえば良かったと大いに反省しました。で、やっと180度フラットベッドで眠ろうとすると、デザートのオーダーを取りに来ました。これに関わると、到着地に着いてしまうので、丁寧に辞退して睡眠時間を作りました。

 

ほとんど睡眠をとれず、到着2時間ちょっと前に目覚めると猛烈にお腹が空いていました。仕事が忙しく食事をしていなかったのと、機内でハンバーグをひとつ食べただけなので、確かに空腹なのです。そこで、寝るのは諦め、再びANA Sky Conciergeから和食のコースをお願いしようと思いました。ANAは、食事のオーダーは取りに来ないシステムなので、自分で申告しなければなりません。するとCAは、和食のコースはオーダーできないと言うのです。きっと搭載在庫がなくなったのだろうと思ったら、そうではなくコースは搭乗してすぐのタイミングしかオーダー出来ないシステムになっていると言いました。仕方がないので、和のセットをお願いしそれをいただきました。その後ANA Sky Conciergeを何度読み返しても、その旨は記載されておらず、しかも厳しい口調できないと言われ、かなり悲しくなりました。

 

過去に記してきたとおり、私はANAの機内食のファンでした。CAのサービスもこなれていて味も良かったのです。しかし、新しいミールサービスは、システムに問題があり、それにCAと客が振り回されるというマネージメントの大失敗の産物でした。

ネットやANAの広報誌などを読むと、とても素晴らしい試みに思え楽しみにしていたのですが、実は問題が山積しており、この大問題を早急に解決していかないと客離れが加速してしまいかねないほどでした。

 

行きのハンバーグ、帰りのステーキは、とても美味しかったです。ただ、私が好きだった搭乗後に出てくるチーズのスナックや出汁のきいたうどんはメニューか消えてしまいました。さらにグラスに入ったパフェもなくなっています。ANA独自のメニューが消えてしまったのはとても残念です。是非、今までのメニューを復活してほしいです。そして複雑きわまるメニューやオーダーのシステムを改善して貰いたいです。実はメニューはそれほど増えていません。オーダーのバリエーションを増やしただけです。今までも、お客は好き勝手に様々なものをオーダーし、それにCAが応えてくれたので、今までのサービスで全く問題がないので、システムを戻すのが一番の改善だと思いました。

或いは、ヴァージン・アトランティックのように完全なフリーダムミール制を導入し、CAにも事前に入念な研修を施すべきです。とにかく一生懸命のCA達が気の毒でした。

 

4月から始まった新しいコンセプトのANAビジネスクラス。ハードは素晴らしくまた乗りたい気持ちにさせてくれますが、サービス、特に機内食に関してはまだ未成熟な気がしました。ミールサービスで嫌な思いをしても料金を払うくらい素晴らしいシートなので、皆さんも是非ANAに乗ってみてください。

きっと数ヶ月もすると、機内サービスは改善され快適な旅行ができるようになっていると思います。

 

今後、この新しい機材はニューヨーク線で毎日運行され、ヨーロッパ便にも拡大されるそうです。


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コメント 9

へろーめ

ビジネスクラスには縁がありませんが
ミールサービスが問題あるのは大きな難点ですね。
by へろーめ (2010-05-14 10:53) 

あるふぃん

乗ってみたいと思っていましたが、しばらく待つことにします。
by あるふぃん (2010-05-14 18:54) 

しんりゅう

どんなものでもそうですが、新しいものはハードは最高!でもソフトは…と
なってしまいがちなんですよね。ANAの新ビジネスも、こういう声を受けながら
徐々にこなれてくるのを期待したいですね。
by しんりゅう (2010-05-16 11:37) 

Traveler

へろーめさん、こんにちは。
ANAは、新しいミールサービスを停止し現在改善中のようです。
by Traveler (2010-06-12 13:04) 

Traveler

あるふぃんさん、こんにちは。
今月末にANAに乗る機会があるので、再度チェックしてきますね。
by Traveler (2010-06-12 13:05) 

Traveler

しんりゅうさん、こんにちは。。
ANAへのお客さんからのクレームは相当数だそうです。先日新聞にも載っていました。
本来ならば、問題を検証してからサービスを始めるべきでしたね。
by Traveler (2010-06-12 13:06) 

One-for-you

このシートはFirst Classですね。
食事は従来通りでFirst Classと同等なサービスとなりそうですねw
離陸後、2~3時間でゆったり飲食して、後は爆睡パターンがベストだと思います。
by One-for-you (2010-08-01 09:57) 

mistgrass

遙か昔でしたがナイスありがとうございました。
ANAのミールサービスは大変だった様ですね!!
私はTAIWANの路線しか乗りませんが昨年初めてANAを利用しましたがシンガポール航空の次に良かったです。
by mistgrass (2011-03-03 12:59) 

Traveler

ANAのビジネスクラスに関しては2013版を新たに追加しました。
始まった頃は、ミールサービスなどに問題があったのですが、現在は改善されています。
この古い記事を読んで、がっかりしないでください。
是非、素晴らしいANAのビジネスクラスを堪能してください。
by Traveler (2013-11-05 15:31) 

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ANA ビジネスクラス (2013年9月版)(旅行の達人 2013-10-09 15:41)

ANAの新ビジネスクラスが登場した2010年に体験記を記しました。その後、ANAはハードだけでなくソフトも日々進化させています。今回は、成熟してきたANAビジネスクラスを記します。 ラウンジ まず、ラウンジへのアプローチですが、成田空港、羽田空港共に、チェックイン・カウンターからスム…[続く]

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